~乙種第4類危険物取扱者試験の「物質の三態、密度と比重、圧力、潮解と風解」~
乙種第4類危険物取扱者の「物質と物質の状態変化」、物質の三態、密度と比重、圧力、潮解と風解について解説しています。物体とは、宇宙をつくっているすべての物質をいい、それを形成している材料を物体材料という。また物体材料はさらに純粋な物質からつくられている。
~物質の三態~
たとえば、木製の机があった場合、机は物体であり、この材料の木材は物体物質である。
通常、物質はそのときの温度や圧力によって、固体であったり、液体であったり、気体であったりする。この固体・液体・気体を物質の三態といい、温度や圧力の条件を変えると、物質の状態は変化する。そこで、一般的には常温(20度)、常圧(1気圧)での状態を意味している。
物質の三態は次のように定義されている。
固体・・・すべての物質は低温では固体になる。
(例)氷、食塩、鉄、ダイヤモンドなど。
液体・・・温度が上昇すると固体は液体になる。この状態では固体の場合と同様に物質は境界表面で囲まれているが、形は容器で変化する。
(例)水、ガソリン、アルコールなど
気体・・・この状態ではもはや物質の表面は考えられず、容器より体積も形もたやすく変化する。
(例)空気、酸素、プロパンガス、水蒸気、ガソリン蒸気など
~密度と比重~
①水の温度と体積
水は氷、水、水蒸気の三態があり、凝固して氷になるときは体積が増加する。水は、温度の変化によって体積は変化し4度で体積が最小となり(密度は最大)1cm3の重さは1gである。
②密度
同一の体積を有する物質でも、重さに軽重の差があるのは、その物質の組織に疎密の差があるからで、この疎密の度合をその物質の密度といい、単位体積内の質量でこれを表わす。すなわち物質1cm3が示す質量が密度である。
③比重
固体、液体の比重(水=1)
固体または液体の重さと、それと同体積の4度、1気圧の純粋な水の重さの比をその物体の比重という。
④気体の比重(空気=1)
気体や蒸気の比重は、空気の重さを基準(0度、1気圧における空気1リットルの重さ1.293g)とし、これを気体(蒸気)比重又は蒸気密度という。
「参考」
①物質の温度が上昇して膨張すると、密度は小さくなる。また温度が下降して収縮すると、密度は大きくなる。
②密度や比重が同じであっても、同一物質とはいえない。
③密度や比重が同じであれば、同一体積の質量は同じである。
④比重が1より大きいということは、その物質が水より重いということである。また小さいときはその逆を意味する。
⑤蒸気密度が1より大きいということは、その気体(蒸気)は空気より重いということである。
~圧力~
物体の単位面積に加わる力が圧力である。
圧力の強さは一般に1m2につき、何gまたは何kgの重さというように表していたが、現在は、1m2に1N(ニュートン)の力を与える圧力を1気圧または、1Pa(パスカル)と表している。
0度、1気圧の状態を標準状態という。
~物質の状態の変化~
状態の変化
外部から熱を吸収することを吸熱(水)
外部へ熱を放出することを放熱という
「固体から液体になることを融解」、「液体から固体になることを凝固」
「液体から気体になることを気化」、「気体から液体になることを凝縮又は液化」
「固体から気体になることを昇華(ドライアイス)」
①融解及び凝固
融解とは固体を熱して、その物質に特有なある一定温度にまで上昇すると液体となる現象をいい、この特有な温度をその物質の融点又は融解点という。
凝固とは液体を冷却、すなわち熱を奪い、その物質(液体)特有のある一定温度(融解のはじまる温度)にまで下げると、個体となる減少をいい、またこの特有な温度をその物質の凝固点という。
(注)1calは約4.2Jである。
②気化及び凝固
気化とは液体が気体になることをいい、気化には蒸発と沸騰の二種類がある。
液体を空気中に放置すると、いかなる温度においてもその表面は絶えず気化する。この現象を蒸発といい、蒸発しやすい液体を揮発性液体(揮発性物質)という。
沸騰とは、その液体の温度が上昇することによって飽和蒸気圧が増大し、液体の表面に作用する外圧に等しくなるときに起こる現象である。
従って、沸点とは、その液体の飽和蒸気圧が外気の圧力に等しくなるときの液体の温度である。
ゆえに、液体の沸点は外圧の高低に左右され、外圧が高くなると沸点は高く、外圧が低くなると沸点は低くなる。
また、水にショ糖(砂糖)や食塩などの不揮発性物質を溶かした水溶液の沸点は、水の沸点(100度)より高くなる。
水の気化熱は2263.8J/g(100度、539cal/g)と大きく、また熱容量も大で、冷却効果が大きいこと、及び水蒸気になると体積が約1700倍に膨張して窒息効果があることなどにより、水は有効な消化剤として使われている。
③気体の液化
一般に、すべての気体はある一定温度以下でないと液化しないが、この限界の温度を臨界温度といい、その温度で液化するのに必要な圧力を臨界圧力という。
~潮解と風解~
固体が空気中の水分を吸収して、湿って液状化する現象を「潮解」といい、これとは反対に、結晶水を含んだ物質を空気中に放置しておくと、自然に結晶水の一部又は全部を失う現象を「風解」という。